この「新釈姥捨山」で、我々造り手が「伝えたいこと」は何でしょうか
貧しさ?悲しみ?家族の愛?
色々あると思いますが…なんとなく、うやむや
でもそれって、造り上げていく過程でそれぞれが見つけるものなんじゃないかと思うんです
2月頃から台本の検討、選考を始めて、私自身も様々な台本を読んできました
去年、一昨年と、賞を獲って心からの笑顔を浮かべる先輩達を見て以来、
演劇部門賞を獲りたい
辛夷杯を獲りたい
という思いばかりが強くて
でも台本を選ぶ過程で、それだけを目的にするのは違うのではないかと思い始めたんです
もちろん賞が欲しい気持ちは変わってないですが、それだけなら派手で笑えて格好良い人可愛い人を出せば良いという一見面白い(ように見える)台本を選べばいい
でも、この57期A組はそれだけに留まるのは勿体無い気がしていました
何せ、この強烈な個性と(地味ながらも)何だかんだで素晴らしい能力を持ったメンバーだからね
表面だけのエンターテイメント性だけではなく、造り手がきちんと「伝えたいこと」を持てる作品にしたい
そう思ったとき、一番心に響いたのがこの「新釈姥捨山」
演劇を見て、涙が止まらなくなったのは初めてでした
この作品は、もとは高校演劇の名門、大船高校のもの
何度もDVDを見て、生でも公演を観に行きましたが、クオリティの高さに唖然とするばかり
正直に言えば、わずか数ヶ月しか無い練習期間で大船高校程の作品が出来るとは思えません
でも、A組オリジナルの「新釈姥捨山」を、附高生活の集大成として全力で作り上げたい
その気持ちは本当です
A組一人一人が、その気持ちを持って、自分が見つけた「伝えたいこと」を精一杯表現する
そうすればきっと結果は自ずと着いてくると信じています
確かに高校生にとって、3年の夏休みという時間は、勉強にしろ部活にしろ、それから思い出という意味でも、最も大切なもの
私も、ギリギリまでキャストをやるかどうか迷いました
たった2回の公演の為に、夏休みを使って良いのか悩みました
もちろん演劇を作るのはキャストだけではないし、ましてや「新釈姥捨山」は“全員演劇”を目指しているので、スタッフの大切さはよくわかっています
でも、行事が好きで1、2年の夏休みも辛夷に捧げてしまったような性格です
憧れだった演劇を同級生達が作り上げるのを、自分のやりたかったことを我慢して、見守るだけ、支えるだけでいるのはきっと耐えられなかった
今ではキャストになって良かったと本当に思ってますおかげで、一目惚れした(笑)源蔵にも挑戦出来ている訳だし
毎日充実してます
いくら中身が枯れていても、声までは枯れないようで…私はあと2ヶ月で年齢も性別も越えてじーさんになれるのでしょうか
うーん、頑張らないと
長ーく重ーくなってしまってすいません
あーもーきっと黒歴史だよ…あー…
あれだよね、巧いこと言おうとして失敗しちゃう一番痛いパターン
うん
それはそうと
そんなわけであと2ヶ月、どんな「新釈姥捨山」が出来上がるか、私自身も楽しみで仕方ないです
さて、次は
普段抜けてるのに仕事はすごく頼れる目のデカさが半端じゃない衣装メイクチーフの彼女です
最近彼女に何だかなつかれてます嬉しいです(笑)
[19回]